テレビとは、◯◯です。

テレビの側から思うこと、日々の雑感を。

【番組】86年「いのち」

放送局:NHK

戦後日本において
いのちを重んじ、
心を大切に生き抜いた女医を
描いた大河ドラマ

大河ドラマとして今作は初が2つ。
大河ドラマにして現代もの
・ナレーションに女優を起用

大河ドラマにおける
ナレーション、
これは過去作品洗いざらいしてみたい。


【番組】72年「木枯し紋次郎」

放送局:フジテレビ

出演者:中村敦夫ほか

 

市川昆が手がけた時代劇。

 

この番組は広告代理店の電通が放送枠を買って

制作費を調達するという「持ち込み制作作品」だとか。

 

大映のスタッフも作品に関わり

市川昆がおおいに遊んで作った意欲作。

 

これまでの時代劇とはうってかわって、

主人公の身なりは汚く殺陣もリアル、

他人と関わろうとしないニヒルな性格。

 

さらに市川昆ならではのカメラワーク。

 

時代劇としては異例の大ブーム。

 

09年には江口洋介の主演の単発スペシャルでリメイク。

こちらも気になりますね。

 

 

 

【番組】75年「テレビ三面記事 ウィークエンダー」


放送局:日本テレビ
出演者:加藤芳郎泉ピン子西川きよし、青空はるおほか

84年まで続いた
日テレの人気ワイドショー

濡れ場や殺しの場面が登場する

再現フィルム

このコーナーの過激さは
テレビ史で語り継がれる程。

リポーターの泉ピン子
この番組をきっかけに知名度が
急上昇したようです。

番組の過激さゆえに
資料としての価値を見出されず
番組の保存はほとんどされてないよう。

これは残念!

例えは安直ですが
江戸時代の春画
いま美術館で展示されるように
対象は見方によって変化します。

つまり価値付けは
いかようにもなると
思うんですね。

当時の時代のにおいとうか
風俗を語る上で
ぜひこの番組の内容や
当時の視聴者の反応が
列記とした資料になるのかなと。

アーカイブの必要性を
改めて感じさせてくれた番組です。

【番組】61年「夢であいましょう」



放送局:NHK
出演者:中嶋弘子、黒柳徹子谷幹一渥美清ほか

日本のテレビ史において
初期に作られたバラエティ、
必ずおさえるべき番組。

「遠くへ行きたい」は
この番組の今月の歌で
生まれました。

作詞の永六輔
凄さがこの年になって
わかってきた今日この頃。

ギャラクシー賞45周年記念賞受賞、
いやあ彼しかいないですね!

【番組】74年「6羽のかもめ」

 

 
放送局:フジテレビ
出演者:夏純子、長門裕之高橋英樹淡島千景ほか
 
今からちょうど40年前
倉本聰がテレビ業界の内を描写したドラマ
 
大所帯の劇団が6人にまで人数が減ってしまい
残されたメンバーで試行錯誤して生きていく様を描いています
 
特異性として
視聴率には数字として大きな結果は出なかったものの
芸能界から注目を浴びていたことが挙げられます
 
一般的に浸透している芸能ゴシップネタを役者が演技で体現し
(たとえば新人が遅刻して大物女優を怒らせた、など)
わかる人にはわかる演出があったというのは面白そうですね
いろんな意味で当時 反響があったことが想像できます
 
ちなみにこのドラマは
エランドール賞を受賞しています
 
映画・テレビ作品、俳優やプロデューサーに送られるもので
今年14年は「あまちゃん」制作チームが特別賞を受賞。
 
選定するプロデューサー協会について興味を持ったので調べてみると
現任幹部のひとりにジブリ映画ではおなじみの
日本テレビ奥田誠二さんのお名前が。
 
50年代からいまだに続いている
伝統ある格式の高い賞なんですね
 
 
エランドール賞」こちらも勉強になりました
 

【番組】65年「アイデア買います」

 

出演者:柳家金語楼ほか
 
東京12チャンネル(現、テレビ東京)の黎明期を支えたといわれてます。
土曜の19時からスタートする30分番組。
 
視聴者数名が毎回特許出願中の発明品をプレゼン。
観覧席の拍手の大きさから
チャンピオンを決定するという
シンプルでわかりやすい番組。

審査員が豪華で
サトウハチローの名前などもありますが
5年間も番組がネタが切れずに
継続したのは感心します。
 
ちなみに
審査委員長であり司会も務めていた
といわれる柳家金語楼
 
吉本の大スターでありますが
彼は多彩でなんと発明家の顔を持っていたそうで。
 
なんと小学生の時分にお世話になったあの、
赤白帽を発明し
莫大な副収入を得たとの情報も。
 

まさに審査委員長にはもってこいの人材。
 
適材適所って大切ですね。

【雑感】M−1グランプリとリーガル千太・万吉

 

 
テレビは文化である、
そう強く感じた瞬間についてお話します。
 
09年 大学時代にM−1グランプリ
おさらいしようと思い
02年のM−1をDVDで見ていたときでした。
 
そのときネタを披露したのはおぎやはぎのお二人。
ネタが終了し審査員の立川談志のコメントの番に。
 
立川談志はなんておぎやはぎを評していたっけ…
 
当時リアルタイムで見ていた記憶を
取り戻そうとしている矢先

談志はおぎやはぎを誉め称え、
要約すると次のようなことを述べていました。
 
「認めてやる。君らの漫才はリーガル千太・万吉を彷彿させる」と。
 
このコメントの返しとしておぎやはぎ
そのコンビは誰だか知らないけど
ありがとうございます
のようなことを言って会場の笑いを誘いました。
 
リアルタイムで見ていたときは
この瞬間をそのまま受け流していましたが
あらためて見ると興味が出てきたんです
 
リーガル千太・万吉って
どんなネタをしていたのだろう
 
このコンビが知りたくなりました。
 
おぎやはぎと本当に似ているのだろうか。
立川談志がとらえた「共通点」とはどの点なのか。
 
ダメもとでYOUTUBEで検索をかけてみると
なんと動画がアップされていました!
 
テレビ画面では→ おぎやはぎ
iPadでは→ リーガル千太・万吉
 
時代が全く異なる漫才コンビ二組を
見比べることができたのです。

そして

確かに話す間合いや
トーンに相通じるものを感じます。
 
当時の09年を起点にして
02年のDVDと何十年も前の動画を
見比べることができます、
まさにこれは文化だなと確信を持ちました。
 
YOUTUBEのコメントを見てみると
数年前に書かれた
ご年配らしき方の思いが綴られていて
 
「アップ主さん、ありがとうと。」
 
すばらしいと思う同時に一つ思いました。
 
「これを合法で堂々と視聴できるシステムを成立させなければ!」
 
YOUTUBEにアップされている動画は
アップ主の方の善意であっても
あくまで著作者の許可なくアップされた動画と
くくられてしまっても現状 致し方ありません。
 
文化的に価値の高いものでも
著作者の判断により動画が削除されることは
少なくありません。
 
だからこそ こうも思うんです

テレビだから残せてきたものがある。
この延長線上にある
いまのテレビをもっと大切にしよう。
 
当時 誰も見なかった番組を
10年後に何千万人もの方が視聴する、
これが可能となった時代です。
 
いまテレビ番組をつくることは
 未来に積み重ねていく使命 意義をもつ。
 
ゆえにこの考えは揺るぎないものとなりました、
 


つまり テレビは文化である
 
 
以上、私がテレビを文化ととらえ 大事にする理由とその大きなきっかけでした。